31. やわらかさ 『…じゃ』
会話が途切れて知る通話口の互いの向こう側の気配。
そっと耳をくっ付けあって感じ合う「オヤスミ」の一言前、
その気配が好きだ。 (65)
このまま一緒に眠りたい。そうも行かないのが現実。

社会人同士のカップルで。
32. 痛み 全てが薔薇色だなんて思ってた訳ではない。
『会えない』
けれど愛し過ぎたらこんなにも胸の内が苦しいだなんて、
知らなくても良かった。 (65)
ほんとに、知らなくて良かったのに。

家庭持ちと独身、遊びが本気になった不倫カップル
33. 好き 「ミィディアム」「レアで」
「ホット」「アイスで」
事あるごとに好みが違う。でも、そこがいいんだと思う。うん。 (53)
付き合っみて改めて思うよ。

カップルで
34. 今昔
(いまむかし)
縁側でつい飛ばしてしまった西瓜の種。
並んだ側からも、こっちもまた。
「変わんねーな、負けず嫌い」
ああそうやって笑ってた幼い日の夏。 (65)
変わんないのはお前もな。

子供の頃夏休みだけ祖母の家で会ってた、いとこ同士
35. 渇き 『あと十分位したら着くから』
そう電話貰って分ってるのにもう待ち切れなくて会いたくて、
居ても立ってもいられない。
早く、帰って来て。 (65)
こんなにも求め与えられもするのに、もっとと思うのはどうして。

彼の部屋で留守番中。
36. 浪漫new! 河の流れに駆け出して水を蹴り上げた。
雀斑の散ったくしゃくしゃだった子供の頃の笑顔が被る。
君は黒髪の、
「…やっぱり。君だと思った」 (65)
変わらない、そのやんちゃそうな、トムソーヤ。

子供時代のサマーキャンプ、サラリーマン、営業、再会した二人
37. 季節 首筋、鎖骨、肩、二の腕。
辿る唇が止まった。
「消えかけてる。あんなにくっきりしてたのに」
夏の名残に触れた指が冷えないよう絡め取った。 (65)
夏から始まって、冬になったね。次の夏も
一緒に居れるといい。

ベッドの中の二人
38. 別れ 「行ってらっしゃい」
泣き笑いっていうんだよ、その顔。
無理を承知で甘えればいいのに。
「月末に戻って来る」
抱き締めずにいられなかった。 (65)
信じてるけど不安なんだ。

遠距離恋愛中のカップル、日曜の夜
39. 欲 手首に昨夜の情事の名残。
静脈の上の赤い摺り傷は彼の嫉妬を煽った代償、
愛された証。
─ クスリ。
ワイシャツのカフスを止めて隠した。 (63)
悪いね、確信犯。欲しかったのは

成人仕様カップルで。
40. 贈り物 「馬鹿、よせ」
「嬉しかったからサ」
左手の薬指に輪っかみたいな歯型をつけてやった。
「俺は本物やろうとしたのに」
「え」
俺、泣いていい? (65)
お互いに専属だっていう証が欲しかったんだ。

生涯のパートナー宣言したばかりのカップル、
ベッドの中かも。

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